ATR
エーティーアール
ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)は、一定期間の値動きの幅の平均からボラティリティの大きさを測る指標です。損切り幅やポジションサイズを決める目安に使われます。ATRが大きいほど値動きが荒いことを示します。
ATRが測っているもの
ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)は、一定期間の値動きの幅の平均を計算し、相場のボラティリティ(変動の大きさ)を数値で示す指標です。J.W.ワイルダーが考案しました。
ATRが大きいほど1本のローソク足の値幅が大きく、相場が荒れていることを意味します。逆にATRが小さければ、値動きが穏やかで落ち着いた相場です。注意したいのは、ATRは値動きの「大きさ」だけを測り、方向は示さないという点です。上がるか下がるかではなく、「どれくらい動くか」を見る指標だと理解しておきましょう。
期間は14が標準でよく使われます。ATRの値は通貨ペアや時間足によって大きく変わるため、絶対値そのものより「いつもより大きいか小さいか」という相対的な変化に注目します。
損切り幅・利確幅の目安に使う
ATRの最も実用的な使い方が、損切り幅の設定です。値動きの平均幅がわかれば、「ノイズに引っかからない損切り位置」を決められます。
たとえばATRが0.30(30pips相当)のとき、損切りを直近の安値からATRの1〜2倍ほど離して置けば、通常の値動きの範囲では損切りに当たりにくくなります。
- ボラティリティが高い相場 … ATRが大きいので損切り幅も広めに取る
- ボラティリティが低い相場 … ATRが小さいので損切り幅も狭くできる
このように、相場の状況に合わせて損切り幅を機械的に決められるのがATRの利点です。利確の目標値を「ATRの何倍」と決める使い方もあります。
ポジションサイズの調整にも役立つ
ATRで損切り幅を決めたら、それをもとに**ポジションサイズを調整**できます。1回の取引で失う金額を一定(例:資金の2%)に保ちたい場合、損切り幅が広い相場ではロットを小さく、狭い相場では大きく、と調整するのが理にかなった考え方です。
ロット = 許容損失額 ÷(損切り幅 × 1pipの価値)
ボラティリティの高い荒れた相場で普段と同じロットを張ると、損切りまでの距離が広いぶん想定外の損失になりがちです。ATRを使えば、相場の状況にかかわらずリスクを一定に保てます。具体的な金額はポジションサイズ計算機やロットサイズ計算機で確認できます。
なお、ATRはあくまで過去の値動きの平均です。経済指標の発表など急変時には過去の幅を大きく超えることもあるため、過信せず余裕を持った資金管理を心がけましょう。
よくある質問
ATRの数値が大きいと買いサインですか?
違います。ATRは値動きの大きさだけを示し、上がるか下がるかの方向は示しません。ATRが大きいのは「相場が荒れている」というだけで、売買の方向判断には移動平均線やダウ理論など別の手法を使う必要があります。
ATRはどんな場面で役立ちますか?
主に損切り幅やポジションサイズの調整に使われます。ボラティリティが高い相場では損切り幅を広め、低い相場では狭めに設定し、それに応じてロットを調整することで、相場の状況にかかわらず1回あたりのリスクを一定に保ちやすくなります。